QCM-MOUDI Impactor
エアロゾルの質量及び粒径分布をリアルタイムに計測可能
概要
エアロゾル粒径分布と質量計測のための多段式インパクター技術は飛躍的な進歩を遂げました。 MSPのQCM- MOUDI™インパクター(モデル140)は従来のMOUDI™インパクターに水晶振動子マイクロバランス(QCM)を組合わせたことで、エアロゾルの質量及び粒径分布をリアルタイムに計測することができます。
モデル140は多孔型マイクロオリフィスノズルを用いることでインパクタ内部の流速及び低圧化を抑え、これにより粒子の跳ね返りや再飛散を最小限にし、粒子の捕集効率を上げています。
多段式インパクターの各捕集プレートにはQCMが搭載されており、エアロゾル粒子がプレートに捕集されることで周波数が減少します。周波数の減少率は捕集した質量とリニアな関係にあることから質量濃度をリアルタイムに検出することができます。また、本モデルには湿度の自動調整器が付いているのでエアロゾル粒子のQCM捕集プレートへの付着を確実にし、吸入エアロゾルの湿度に関わらず最終的な相対湿度を55~65%に保ち、エアロゾル粒子の跳ね返りを無くします。これに加えて、先進エレクトロニクスを駆使することで、数十ナノグラムから数百マイクログラムまで幅広いレンジで質量検出を可能としました。インパクター捕集後のサンプルは化学分析することも可能で、捕集プレートの清掃も容易に行うことができます。
本モデルの多段式インパクターは2.5 μmカットのプリセパレーターと6段のQCMステージで構成されます。
各ステージのカット径(D50)は10 L/minのサンプル流量で、960、510、305、156,74及び45 nmで、シャープな捕集効率曲線を有します。
【関連機器】
6 nm-10 μmを14弾分級可能なリアルタイムモニタリング
【自動車計測向け関連資料】
ブレーキ粉塵計測における粒子計測器の紹介
DPF/GPF性能評価システムの提案資料
特徴
- エアロゾルの質量及び粒径分布をリアルタイムに計測可能
- MOUDITM Impactor(Micro-Orifice UniformDeposition Impactor)に水晶振動子マイクロバランス(QCM:Quartz Crystal Microbalances)を搭載
- 質量感度の向上(ナノグラム単位)
- サンプル後の化学分析可
応用例
- 大気汚染および大気質調査のためのサンプリング
- 吸入毒性試験
- タバコの煙のテスト
- 産業衛生研究
- 作業場所のエアロゾル分析
- エアロゾルドラッグデリバリーデバイスのテスト
仕様
吸引流量 | 10 L/min |
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インパクタステージ数 | 7段(QCM検出ステージは6段) |
プリセパレータのカット径 | 2440 nm |
QCMステージのカット径 | 45,74,156,305,510,960 nm |
寸法 (DWH) | 38 cm ×38 cm ×58 cm |
重量 | 20.5 kg |
電源 | 115 VAC,60 Hz or 230 VAC,50 Hz |
使用可能環境 | 15-30 ℃, 0-100% RH |
インターフェイス | カラータッチスクリーン(200 mm) |
※仕様は予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。