軟X線中和器 Advanced Aerosol Neutralizer
Model 3088
概要
TSI社製 モデル3088 軟X線中和器は9.5 keV以下という低エネルギーのX線源を有するコンパクトな中和器で、プラスとマイナスのイオンを高濃度に発生します。モデル3088はTSI社の静電分級器(モデル3082及び3080)用に設計された中和器で従来のエアロゾル中和器と同等の性能を有します。また同中和器は安全に使用するためのインターロックスイッチを有しており、中和器を使用しない場合は電源をOFFにすることが可能であるため可搬型の中和器として適します。
同中和器の運転可能時間(X-Rayランプ点灯時間)は約8760時間で、1日8時間で週5日運転した場合に約4.2年使用できます(モデル3082の静電分級器を使用した場合はトータル運転時間が表示されます)。運転可能時間が過ぎると軟X線中和器のLEDランプが点滅するので、この場合はメーカーであるTSI社に送りX線源を交換することができます。
【自社研究レポート】
軟X線中和器を用いた帯電粒子の中和確認試験
特徴
- Am241等の放射性中和器の代替
- インターロックスイッチを有した可搬型の中和器
- 軟X線中和器からの粒子生成なし
- TSI社製の静電分級器(モデル3082及び3080)と互換
- 電源のOn/Offが可能
- 正イオンと負イオンを発生する両極式中和器
- 運転可能時間は約8760時間
- 最大で107 個/cm3の個数濃度に対応
応用例
- 帯電粒子の中和
- Am241中和器の代替
- 静電分級器用の中和器
- エアロゾル粒子の帯電研究
- 単分散粒子の発生
仕様
帯電方式 | 軟X線による両極拡散荷電 |
---|---|
性能 | 9.5 keV、150 µA |
流量範囲 | 0.3~5.0L/min |
X線の線量 | 0.3μSv/hr以下@0cm 0.2μSv/hr以下@5cm |
発生粒子 | 0.01個/cm3 |
最大粒子濃度 | 107個/cm3 |
供給ガス | 空気又は窒素 |
作動環境 | 温度範囲:-10~60℃ 湿度範囲:0~80%(結露なきこと) 高度上限:2000 m |
保管環境 | 温度範囲:-10~60℃ 湿度範囲:0~80%(結露なきこと) |
圧力範囲 | ±70 kPa |
電源 | 入力:100-240 VAC、50/60 Hz 出力:12 VDC、2.5A |
重量 | 1.6 kg |
寸法(L×H×W) | 353×124×50 mm |
入口及び出口径 | 1/4インチ(外径) |
装置材質 | ステンレス及びPTFE |
運転可能時間 | 約8760時間 |
※仕様は予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。
関連機器・参考情報
- 1 Whitby, K.T and Liu, B.Y.H (1966) Aerosol Science (Edited by Davies, C.N.) Academic Press, London.
2 Reischl, G.P, Makela, J.M, Karch, R., and Necid, J. (1996) Journal of Aerosol Science 27 931-949.
3 Liu, B.Y.H and Piu, D.Y.H. (1974a) Journal of Aerosol Science 5 465.
4 Fuchs, N.A.(1963) Geofisica Pura Applicasa 56, 185-193.
5 Lee, H.M., Kim, C.S., Shimada, M., Okuyama, K.,(2004) Journal of Aerosol Science 36 813-829.
6 Kallinger, P., Steiner, G. and Szymanski, W.W.; Characterization of four different
bipolar charging devices for nanoparticle charge conditioning. J Nanopart Res
(2012) 14: p. 944 ff