オイルミストとは
■微粒子化して空気中に浮遊している油
■工業機械に用いられる潤滑油が、その機械の稼動によって飛散されることにより生じる機械の動きが高速であるほど、ミストの粒子は細かくなる傾向がある。
■呼吸器系への悪影響がある為、作業現場ではマスクの着用や、オイルミストそのものを減らす工夫がなされている
製造業技術用語集より
オイルミストによる影響
■健康への影響
呼吸器系への悪影響などが考えられる。工場内オイルミストに対する法規制は無く、日本産業衛生学会より許容曝露濃度の勧告値が発表されている(許容曝露濃度:3mg/m3 )
■労働環境への影響
視界不良、床が滑りやすい、におい(悪臭、においが髪や服に付く)、オイル付着による空調効率の低下、といった問題が起こる
■労働者確保への影響
昨今の人手不足と上記問題により敬遠されてしまい、必要な労働力が確保出来なくなる事が懸念されている
主なオイルミストコレクターの方式と特徴
■フィルター方式
集塵用フィルターを利用した除去装置となり取扱いは容易である
比較的低濃度環境で使用され、除去効率は用いるフィルターの性能に依存する
使用済みのフィルターは産業廃棄物となる
■ 慣性集塵方式(慣性衝突式、サイクロン式)
慣性力を利用した除去装置となり取扱いは容易である
微細ミストの捕集は難しい。 廃棄物が少ない
■ 電気集塵方式
高電圧コロナ放電を利用した除去装置となり取扱いには注意が必要
微細粒子まで捕集可能。 廃棄物が少ない
目的や使用環境によって最適な効果が得られる除去装置は異なる
→目的・使用環境に合わせた評価が重要となる
オイルミスト測定における注意点
■ オイルミストだけを計測する事は出来ない
リアルタイム計測器による測定は、環境中に浮遊している粉じん等も一緒の計測となり、オイルミストだけでの評価は出来ない
■ 温度・圧力条件の確認
ほとんどの測定器が常温・常圧が使用条件となるその為サンプルが高温や高圧の場合、一旦 常温・常圧に落す必要がある
一部、高温や高圧に対応している装置もある
■ 高濃度や粘性の高い粒子測定の場合、装置汚染や故障の可能性が高まる為、定期的なメンテナンス、希釈器の使用等が必要となる事がある
一部、ユーザーがクリーニング及び簡易校正を行える装置もある
オイルミストコレクターの性能評価方法と適した測定機の条件
① 実際の使用現場で性能評価を実施したい
・小型・軽量
・細かい粒径別の捕集効率の測定
・高い操作性(簡単操作、バッテリー駆動など)
② ラボで精度の高い性能評価を実施したい
・高濃度、高温、高圧といった特殊条件での測定が可能
・より細かい粒径別の捕集効率の測定
・模擬的にオイルミストの発生を行っての性能評価
・高いメンテナンス性
現場評価に適した測定器(粒径、濃度測定)
TSI社製 オプティカルパーティクルサイザー Model:3330の特長
粒径別の個数濃度(粒径分布)の測定が可能
Max3,000個/ccまでの濃度に対応
小型・バッテリー駆動による高い操作性を実現
・粒径評価:光散乱径
・粒径範囲 0.3~10 μm
・チャンネル数 最大16ch(設定変更可)
・流量 1LPM
・個数濃度 最大3,000個/cc
・サンプル時間:最短1秒
・軽量・小型
・バッテリー(2ヶ)で最大12時間駆動
・インレットからオプティクスまでの管が直線で短い
→粒子の管内ロスを低減
・シース流量を追加
→オプティクスの清浄度を保つ
→粒子の流れが安定/精度向上
・ ワイドな光散乱受光部(120°)
・ 粒子をフィルター(37 mm)に捕集可
→重量濃度
→化学分析
TSI社製 オプティカルパーティクルサイザー Model:3330用希釈器
・高濃度測定時に使用、濃度対応及び装置保護
・2モデルラインナップ
10倍希釈用(Model:3332-10)100倍希釈用(Model:3332-100)
・ 簡単操作
・ 簡単メンテナンス
・ 希釈用エアーは不要
・ AC100Vで使用可能
現場評価に適した測定器(質量濃度)
TSI社製 エアロゾルモニターDustTrakⅡ Model:8530/8532の特長
質量濃度測定が可能
高濃度(Max400mg/m3)に対応
小型・バッテリー駆動による高い操作性を実現
・粒径範囲 0.1μm-10 μm
・流量 3LPM
・上限濃度 8530:400mg/m3 8532:150mg/m3
・軽量・小型・バッテリー駆動
・サンプル時間:最短1秒
・標準付属インパクターによりPM10、PM4、PM2.5、PM1への切替が簡単に可能
・同時フィルター捕集が可能 ※8530のみ
ラボ内での評価に適した測定器(粒径、濃度測定)
PALAS社製 エアロゾルスペクトロメーター Welas Promoの特長
リアルタイムに粒径分布測定が可能
希釈無しで高濃度(Max1,000,000個/cc)に対応※
高温・高圧条件下での計測が可能※
粒径評価:光散乱径
・粒径範囲:0.2~40 μm
・分解能:256ch(生データにて)
・流量:5LPM
・個数濃度:コインシデンス補正により最大1,000,000個/cc※
・最大250℃までのサンプルガスを直接測定可能※
・最大10 barまでのサンプルガスを直接測定可能※
PALAS社製 エアロゾルスペクトロメーター Welas Promoの特長
※センサーモデルによる
・0.2~40µmの個体粒子/オイルミストを計測可能
⇒①0.2~10 µm ②0.3~17 µm ③0.6~40 µmの中から最適な計測モードを選択
・高いチャンネル分解能を持ち、一般的なパーティクルカウンター等では検出が難しいピークを計測する事が可能。
・ソフトウェアにて重量濃度【mg/m^3】に変換可能
・フィルター捕集による評価(重量評価)と比較すると・・・
⇒①自動計測評価による試験工数の削減、②粒径情報の取得 を実現
・頑丈なセンサー設計
⇒コントローラーとセンサーが分離した設計となっているために、センサー側にはエレクトロニクスが含まれず過酷な環境下での計測にも対応
・粒子検出部をヒーティング可能
⇒最大250℃まで加熱することで
① 高温下に存在する粒子を温度下降することなく計測可能
② 水分凝縮による計測精度への影響を低減
・簡易校正粒子によるチェック
⇒ユーザーサイドで装置状態の管理が可能
計測時に汚れた粒子検出部をユーザーサイドでクリーニング可能
簡易校正粒子を用いてユーザーサイドで粒径校正が可能
フィルター効率試験用ソフトウェア
0.2-40 μmの範囲の各粒子径毎の捕集効率測定が可能
ラボ内での評価に適した発生器
TSI社製 6-JETエアロゾルアトマイザー Model:9306の特徴
オイル粒子を模擬的に発生し、性能試験が可能
再現性が高く、精度の高い評価が可能
発生量の調整が可能
・発生方式:アトマイザー方式
・発生可能粒子:オイル粒子、NaCl粒子など
・発生流量:約6.5L/min~12L/min(1JETあたり)
×使用するJET数(最大72L/min)
・高い再現性
・発生機構(JET)が6個ある事で発生量を簡単に調整する事が可能
ラボ内での評価に適した発生器
PALAS社製 エアロゾルジェネレーター PLGシリーズの特長
オイル粒子を模擬的に発生し、性能試験が可能
再現性が高く、精度の高い評価が可能
発生オイルを加熱する事が可能※
・発生方式:ラスキンノズル方式
・発生可能粒子:オイル粒子、NaCl粒子など
・加熱可能温度:最大120℃※
・高い再現性
・加熱する事で実際の使用環境に近づけた試験する事が可能
※モデルにより異なる
異なる温度でのエンジンオイル発生例(PLG2000H使用)
計測フローライン例①
計測フローライン例②
計測フローライン例③
オイルミストコレクター性能評価に適した計測機器は 東京ダイレックにご相談ください
※本資料はこちらをクリックするとダウンロードできます。
TEL:03-5367-0891 Mail:info@tokyo-dylec.co.jp