エンジンオイル中のSoot計測
エンジンオイル中のSoot(スス)は、エンジンの機械的耐久性や信頼性に悪影響を及ぼすため、エンジンの研究開発および品質保持に対して重要なパラメータとなります。
Soot混入と影響
Soot混入による影響 例
● オイルの粘度が上昇(増粘)して燃費が悪化
● エンジンパワーの低下
● 摩耗による各種部品の耐久性や寿命の低下
● オイルフィルタのつまりなどの不具合
Soot混入率計測の必要性
エンジンオイル中のSoot混入率(残炭濃度)を効率的に定量化することは、エンジン設計および研究開発において重要な課題となります。
耐久試験などにおいて現在主流となっているバッチサンプリング方式では、エンジンを数百時間程度運転する必要があるため時間とコストが増大になる懸念があります。
そこで、エンジン設計/研究/開発に役立つエンジンオイル中のSoot混入率計測装置をご紹介致します。
エンジンオイル中のSoot混入率計測器 仕様
AEI社製 BTSA7.0
●サンプリング間隔:6秒
●測定精度:0.0002%/ soot
0.002%/ hour
●soot混入率計測範囲:最大0.8%
●対応オイル温度:最高150℃
●電源:100VAC
●アナログ出力:アナログ1:-5to+5v/0-10v
アナログ2:-5to+5v/0-10v
●設置環境温度:7~46℃
●寸法:710×640×1140[mm](WDH)
●重量:186㎏
BTSA7.0 特徴
● BTSA7.0はオイルパン/オイルギャラリーから計測器に連続的に供給・循環させることができるため、リアルタイムで高速かつ正確なスス濃度測定が可能です。
● エンジン運転中にエンジンから計測器に供給しエンジンに循環させる一体型ポンプを搭載しており、少量のオイルがサンプリング調整システムを通って検出部に送られ分析されます。そこで計測される濃度の測定精度は、0.0001重量%に近い精度で正確に測定され、このプロセスを6秒ごとに繰り返されます。
● 従来の100時間から500時間の試験を必要とするバッチサンプリング方式と比較して、この計測精度により数分に短縮することができ、時間とコストを節約します。
また、数百時間にわたる正確な予測を算出することができます。
BTSA7.0 計測原理
BTSA7.0は、Soot(=カーボン)が特定の波長の光を吸収するという特性を利用しており、検出部では遠赤外線 (>20 µm) から可視領域 (0.5 µm) の光を測定対象となるエンジンオイルに照射し、その減衰量を計測します。
この減衰量とカーボン量には相関があるため、BTSA専用ソフトウェアもしくはアナログ出力によりSoot混入率および数百時間後のSoot混入率の予測値を求めることができます。
BTSA7.0 ソフトウェア計測画面
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