Liquid / 液中粒子計測
Liqui ScanとDLSの測定原理の違いで出来ること
Liqui Scan(DMA法)は電気移動度分析(モビリティ径)
Liqui Scan-ESによるナノ粒子サンプル計測フロー
<溶液導入部 粒子発生>
静電噴霧装置エレクトロスプレー3482
ナノ材料となる試料は導電性の高いバッファ液に溶解させます。溶解したサンプル試料はシリンジポンプ、オートサンプラー、液体クロマトグラフのポンプ等を用いてエレクトロスプレーに輸送されます。エレクトロスプレーにはアースに接続されたマイクロクロスという分流部があり、導入されたサンプル試料はそこでキャピラリー管と廃液ラインに分流されます。マイナスに印加されたオリフィスプレートが電場を作り出し、キャピラリー先端より発生した液滴は静電力でチャンバー内に誘導され、クリーンエアーやCO2と混合して微小液滴となります。更にチャンバー内の対面にある軟X線源より発生したイオンにより微小液滴は中和され、最終的には安定した単分散ナノ粒子を発生することができます。
<エアロゾル中和器>
軟X線型中和器 Model 3088
正確な粒子分級測定の為に必要な中和器
モデル3088は以下のような特徴があります。
●Am241等の放射性中和器の代替
●インターロックスイッチを有した可搬型の中和器
●軟X線中和器からの粒子生成なし
●TSI社製の静電分級器(モデル3082及び3080)と互換
●電源のOn/Offが可能
●正イオンと負イオンを発生する両極式中和器
●運転可能時間は約8760時間
●最大で107個/cm3の個数濃度に対応
<ナノ粒子分級 検出部①>
静電分級装置 DMA3081/3085
① サンプル粒子(多分散)がDMA内に入ってくる。
② 粒子が二重管構造の外壁に沿って導入される。
③ 正の電荷を持った粒子は中央にある負の高電圧ロッドに 引き付けられながら移動する。(この時、電荷を持たない粒子および負の電荷を持った粒子はそのまま外壁に沿って移動し、排出される。)
④ 高電圧ロッドに印加された電圧に応じた移動度(Mobility)を持つ粒子のみが、ロッド下部にあるスリットに導入される。※(ロッドの印加電圧を変える事によって、スリットに導入される粒子の粒径を変える事ができ、電圧を徐々に変える事によって、精度の高い粒径分布測定が可能となる。)
⑤ 分級された単分散粒子をCPCにてカウントする。
<粒子カウント 検出部②>
水タイプ核凝縮粒子カウンターWCPC原理
◆ Growthチューブ:冷却されたサチュレーター部と保温されたコンデンサー部から成る。
◆ サチュレーター部:インレットから吸引された粒子は、水蒸気と飽和する。
◆コンデンサー部:水蒸気はチューブ壁からチューブ中心へ粒子が加熱される前に拡散するため、粒子は過飽和状態となり、凝縮を始める。
◆光学部:凝縮成長により大きな液滴となった粒子を検出する。
粒径標準について ①
粒径標準について ②
粒径標準について ③
粒子標準物質製造事業者に対し、粒径校正サービスを実施
校正範囲
20 nm ~ 1 μm
粒径測定法
• 計数ミリカン法(絶対測定法)
100 nm~1 μm
• 電気移動度法(相対測定法)
20 nm~300 nm
粒径分布幅も校正可能
(粒径20 nm~300 nmにて、2015年~)
モビリティ径評価のよくあるご質問
評価方法として粒子表面に帯電している静電気量を利用してサイジングを行なう。
粒子の大きさによる帯電量の違いは、非常に大きなファクターとなり、物質の違いによる帯電性の違いよりも遥かに大きな影響を与える。
例 金コロイド粒子10 nmとラテックス粒子10 nmは導電率としては全く異なるが、粒子の持てる静電気量は表面積に依存する
⇒金/シリカ/ラテックス/タンパク質など帯電性が全く違うサンプルでも、係数やファクターなどの変更の必要性がない。
DMA法による液中微粒子計測の展開
1、単分散性 / 多分散性の確認
DLSなどでは1つのピークデータのみ検出になるサンプルでもLiqui Scanではサンプルに含まれる粒子径毎のピークを複数で捉えることが可能!
サンプルが単分散状態?多分散状態?を精度良く確認
複数の粒子が混在する際の測定例
動的光散乱(DLS)等では通常測定しづらい
複数のピークを検出可能
複数の粒子が混在する際の測定例
アスペクト比の高いサンプルに対する粒径測定
アスペクト比が高いサンプルは粒子径測定が困難
⇒ DMA法は粒子の表面にかかる帯電量(静電気量)によって、粒子サイジングを行う
細長い粒子の表面積が真球と仮定するとどのサイズになるかを計算して粒径測定
⇒CNTなどの表面積の情報が分かり、個々のサイズ毎の濃度の計測が可能
表面積はタイミングによる違いが出にくい為、再現性が高い測定が可能に
繊維状粒子の長さの推定
仮に直径4nmのCNTの長さを、球換算表面積データから見積もると約100nmの長さと考えられる。
※長さ換算を行う場合、Excel上での計算になります。
2、シングルナノからのコンタミ計測
半導体製造における使用される薬液に対するコンタミネーションの問題は20nm以下へと推移しており、キラー欠陥に繋がる様な粒子の検出の必要性が高まっている。
DMA法を用いた測定技術は、ナノバブルに影響のされない20 nm以下そして、シングルナノレンジへの測定を可能にする。
<対象サンプル例>
・IPA(イソプロピルアルコール)
・過酸化水素水
・ウエハなど洗浄後の水
対象サンプルによる測定フロー
3、対象サンプル一覧(有機溶媒含む)
得意なサンプル
◎無機系微粒子(金属やシリカやラテックス等)
◎タンパク質系
◎高分子サンプル
◎濃度の薄いサンプル
◎粘性の低いサンプル
苦手なサンプル
×ナノバブル → 発生の段階で消失する可能性あり。
×ミセル → 発生を行うと段階で状態変化の可能性あり。
△濃度の濃いサンプル → 希釈を行えば測定が可能。
△粘性の高いサンプル → 水に近い粘度まで落とす必要性あり。
測定可能な溶媒
◎水
◎アルコール
〇強酸※
〇強アルカリ※
※脱塩処理必要な場合有
サンプル分散度等による溶媒
△MEK
△MIBK
△NMP
△シクロペンタノン
△シクロヘキサン
測定が難しい溶媒
×ヘキサン
×トルエン
~ナノオーダーでの分級抽出~
モデル3080シリーズのDMAはエアロゾル研究における基準装置です。これは基本的な物理特性にもとづいた装置であり、高い再現性を持っているためです。
エアロゾル生成システムとしては、多分散エアロゾルから同一粒径を選択する単分散分級器(DMA)として用いられます。
*アメリカ商務省の標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)では0.1 μm標準粒子の分級にTSI社Long-DMAを使用しております。
目的粒子径の確認及びコンタミ確認(ドライ捕集)
溶液から溶液へのサイズ別回収
<粒子コレクター> 粒子高効率回収 (5 nm – 10 μm)
スポットサンプラー SS110シリーズ
原理
「コンディショナー」
最初のコンディショナー領域は冷却されており、吸入されたサンプルエアーはここで飽和水蒸気と混合します。
「イニシエータ」
次のイニシエータ領域は過飽和状態が維持されており、ここで微小粒子を核に水蒸気が凝縮します。イニシエータ領域の相対湿度は130~140%で、直径5~10nmのナノ粒子に対しても凝縮が可能となります。凝縮した液滴は約3μmまで成長します。
※水蒸気の拡散率は熱の拡散率よりも高く、右下の図の如くイニシエータ領域で過飽和が作られます
「モデレーター」
最後の冷却されたモデレーター領域ではサンプルエアーの温度と水蒸気量を低下させており、下流の捕集部分での凝縮を防ぎます。水滴成長を大気温度に近い状態(25~35℃)で起こすことにより、「揮発成分の高捕集」、「粒子の組成変化の軽減」、「微生物の生存を保持」を可能とします。
✔ 元のサンプルから選択的に欲しい粒子サイズのみを回収
✔ 粒子の跳ね返りもなく、高い捕集効率
5nm~2.5μmのドライ捕集 >95%
5nm~10μmの液中捕集 >90%
✔ 濃縮サンプルの少量抽出により、分析感度を向
(検出限界/定量下限)可能
【写真左】ドライ捕集用32ウェルプレート
【写真右】液中捕集用バイアル
サンプル測定データ① CMPスラリー評価
分級式個数評価により、粒子径情報のみならず、単分散度の評価がより正確に行えます
サンプル測定データ② アルミナ分散溶液
体積評価で値付けされたサンプルの個数濃度での実際の割合を測定することが可能
サンプル測定データ③ 免疫グロブリン(IgG)
1量体と2量体の僅かな粒子径の差を判別でき、更に個数濃度から凝集体の割合を測定可能
~参考資料 LiquiScan‐ES 測定可能タンパク質(1量体~多量体)一覧表~
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