JIS B 9927:2022
JIS B 9927は第1部~第5部の5部編成
本資料では、第三部(平板フィルタろ材の試験)で使用可能な装置を紹介
高性能フィルタのJIS規格としてJIS B 9927があるが新たなJIS B 9927が2022年2月に制定。
新JISでは題名が「クリーンルーム用エアフィルターの性能試験方法」から「粒子除去用高性能フィルタ(EPA,HEPA 及びULPA)及びフィルタろ材」へと変更された。
旧JISでは0.3 μmまたは0.15 μmの粒子の測定が必要なのに対し、新JISでは最も粒子が透過しやすい粒径のMost Penetrating Particle Size (MPPS)の特定が必要となった。
粒子がろ過されるメカニズム
拡散 | 粒子は空気の流れとは別にブラウン運動をしている |
ブラウン運動をした結果、フィルターに接触し捕集される | |
小さい粒子、微細繊維、低速での捕捉に最適で粒子密度に依存しない | |
さえぎり | 粒子は空気の流れに沿って移動し、そのサイズのために捕集される |
慣性衝突 | 粒子は、慣性力により、フィルターを避けようとする空気の流れから逸脱しフィルター捕集される |
大きい粒子、高密度、高速および小繊維が最も効率的 | |
静電沈着 | 粒子は電気力によってフィルターに引き付けられ捕集される |
高性能フィルタのテストの特徴
□ 粒子サイズ別に捕集効率を測定
・フィルターメディア開発時のフィルタの特徴付け
・高効率フィルタの品質管理
・特定の汚染物質に対するフィルタの性能を確保する為
特定のサイズでの効率を測定
□ Most Penetrating Particle Size (MPPS)の特定が必要
□ 用いられている規格
・JIS B 9927
・EN 1822-3 (flat sheet media)
・EN 1822-5 (panels)
・IEST RP-CC001/007 (panels)
・MIL STD (canisters)
・ISO 29463:2011
サイズ別の捕集効率を計る意味とは?
・ フィルタの捕集効率は粒子サイズによって異なる
・ 異なる粒子サイズを測定することで効率曲線を求めることが可能
・ 2022年2月に制定された新JISではMPPSの測定が必要となった。
Most Penetrating Particle Size (MPPS)とは?
フィルタを最も透過しやすい粒径(捕集効率が最小となる粒径)をMost Penetrating Particle Size (MPPS)という
単分散試験エアロゾルを用いた試験用装置の例
粒子発生部(多分散エアロゾル試験)
定出力エアロゾルアトマイザーModel :3076
特徴
・二流体ノズルを使用した粒子発生器
・粒径分布及び個数濃度を安定発生
・DOP、DEHS、DOS、PSL、NaCl粒子等の発生が可能
・使用する溶液の濃度で発生される分布に変化あり
例)DEHSやPAOをイソプロパノールに入れて使用
・試験全体で高い個数濃度を達成するために、異なる濃度の溶液をセットした複数の噴霧器を使用する場合がある
粒子発生部(単分散エアロゾル試験)
静電分級器 Model:3082シリーズ
特徴
・微分型電気移動度分級器(DEMC)
・多分散エアロゾルから粒径を選択し分級することが可能
・Long-DMA(モデル3081A)は10 nm~1000 nm
粒径範囲の粒子の分級が可能
・発生した多分散粒子から同一粒径を選択し単分散粒子にする
・試験全体で高い個数濃度を達成するために異なる濃度の溶液を複数の噴霧器で用意し必要粒径により噴霧器を切替ながら使用する
中和器
軟X線中和器 Advanced Aerosol Neutralizer Model: 3088
特徴
・インターロックスイッチを有した可搬型の中和器
・軟X線中和器からの粒子生成なし
・電源のOn/Offが可能
・正イオンと負イオンを発生する両極式中和器
・帯電した粒子は帯電していない粒子よりもフィルタに除去されやすいので中和器を使用して粒子の中和を行う
・発生した粒子の後段に設置し、発生粒子を平衡帯電状態にする
測定器(多分散エアロゾル試験)
多分散エアロゾル試験の場合は光散乱式気中粒子計測器(LSAPC)を使用可能である
粒径測定範囲は0.2~2.0μmで対象のMPPSより小さい粒径区分が少なくとも1つ必要である
ポータブルパーティクルカウンター Model 9110
粒径範囲:0.1 ~ 10 µm
粒径チャンネル
8 チャンネル
0.10、0.15、0.2、0.25、0.3、0.5、1.0、5.0 µm
高感度エアロゾルスペクトロメーター Model 3340A
粒径範囲:0.09~ 7.5 μm
粒径チャンネル
100 チャンネル (ユーザー設定可能)
測定器(単分散エアロゾル試験)
凝縮粒子カウンター Model:CPCシリーズ
・核凝縮という独自の技術でナノ領域の微小粒子を測定
・リアルタイムに粒子の個数濃度を検出
・粒子径範囲:数nm~3 μm※
・流量:0.3~1.5 L/min※
・個数濃度:最大107 個/cm 3 ※
・サンプル時間:最短1 秒
※モデルによって異なります
フィルタ保持部
フィルタテスター Model:DFT-S
・フィルタの保持、流量の制御、差圧の測定が可能
・粒子発生部、粒子計測器と組み合わせることでフィルタの効率試験が可能
オールインワン試験装置
フィルタ捕集効率試験装置 Model:3160
専用ソフトによる自動計測でデータの取得が容易
特徴
・ISO規格(ISO 29463:2011)に対応
・JIS規格(JIS B 9927-3)に対応
・自動制御なのでデータの再現性が高い
・試験結果を自動でプリントアウト
・粒径毎に、捕集効率を99.999999%まで評価
・精密な流量とフィルター圧力損失の測定
・対象粒子径を1点に固定すれば高速テストが可能
・コンタミネーション(二次汚染)がほとんど無い
3160システム
3160粒子発生部
・塩粒子とオイル粒子の選択が可能
・プログラム管理で3種類のボトルを自動で切替え
・DEMC(静電分級器)にて試験粒子を単分散に発生
試験結果のレポート例
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