粒子計測装置の日常点検、精度管理

はじめに

 自動車から排出される粒子状物質 (PM) の排出量を評価する手法として、欧州では2011年からディーゼル乗用車について”固体粒子数規制 (PN規制)”が導入され、その後、対象車種を拡大させている。
 日本国内でも、環境省 中央環境審議会 第14次答申においてPN規制の導入が適当であるとされ、2023年末からディーゼル車を、2024年末からガソリン直噴車を対象に適用が開始される。
 しかし、粒子にはガス分析装置の校正に使用されるトレーサビリティが担保された濃度既知の標準ガスのような標準物質がなく、現場で粒子計測装置の感度確認を行うことが出来ず、

 ”粒子計測装置に何らかの不具合が生じていても気付けない”

可能性がある。

JASO TP 22004について

 そこで、使用中の粒子計測装置の日間変動を記録することで、装置の不具合を早期に感知することを目的とし、2022年3月に【JASO TP 22004 自動車排ガス中固体粒子数の計測装置における日常点検ガイドライン】が発行された。

テクニカルペーパー発行の趣旨
① トレーサビリティは取れないが、計測感度を現場で確認
② 粒子計測装置の不具合及びその予兆を感知, 予防
③ 測定信頼性向上につながる、簡便かつ適切な点検手法の整備

点検内容
①PN計測装置の状態確認
 流量、ゼロ点チェックや温度,圧力指示値などの管理
②粒子発生器によるPN計測装置の検出感度確認
  粒子発生器から発生した粒子を利用した粒子数検出値の管理


JASO TP 22004 粒子発生器によるPN計測装置の検出感度確認

粒子を一定濃度で安定供給できる”粒子発生器”を利用し、粒子数検出値の日間変動を管理。

*1 参考値として、粒子数検出値の”平均値±3σ”

JASO TP 22004 適合 日常点検キットのご紹介

特徴
・工場エアの供給のみで粒子を発生 (電源やガスボンベが不要)
・専門知識を必要とせず、取扱いが簡便
・小型/軽量設計でベンチ間を移動しての利用が容易  (ユニット化により台車での運搬に対応 / 次ページ参照)
・リーズナブルな価格帯


日常点検キット 製品情報 https://www.t-dylec.net/service/kit/

JASO TP 22004 適合 日常点検キットのご紹介 ユニット化参考図

フレーム寸法 : 400*700**420(W*D*H 取手部など除く)
重量 : 約15kg (フレーム含む)

日常点検キットを利用したデータ管理例


粒子径分布計測装置の点検

JASO TP 22004は『自動車排出ガスに含まれる固体粒子数を計測するPN計測装置であって、検出下限粒子径の公称値が23nmである装置』を適用範囲と定めておりますが、日常点検キットは弊社取扱いの粒子径分布計測装置の日常点検にもご利用いただけます。

年に1度の校正と合わせて、今回ご紹介致しました日常点検を実施していただくことは、安心して計測装置をご利用いただけるだけではなく、これまで以上に信頼性の高い測定データをご利用いただくことにつながります。

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※本資料はこちらをクリックしていただくとダウンロードできます。

TEL: 03-5367-0891 mail: info@tokyo-dylec.co.jp

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