粒径(相当径)の種類
光散乱径
・ 粒子に光を当て、その光散乱強度から求めた粒子径
・ 粒子の形状や色に影響を受けやすい
・ 対象粒径範囲はサブミクロン~ミクロン領域
モビリティ径
・粒子の電荷量を利用し、電気移動度から求めた粒子径
・対象粒径範囲は1ミクロン以下
・粒子の慣性力から求めた粒子径で、粒子比重は 1 と仮定
・粒子の比重に影響される
・対象粒径範囲はサブミクロン~ミクロン領域
幾何学径
・ 粒子の幾何学的に計算した粒子径
・ 粒子の形状に影響を受ける
ストークス径
・空気動力学径から粒子比重を補正した粒子径
空気動力学径評価
環境中に浮遊するエアロゾルは、呼吸器から体内に取り込まれます。
エアロゾルの大きさにより呼吸器内の沈着部位が異なり、例えば
2.1~4.7 μmの粒子は気管や気管支に沈着し、1.1 µmより微小な粒子は肺胞にまで到達します。
この時の粒径は空気動力学的に評価される必要があります。
このように、空気動力学径評価は健康影響を考慮したエアロゾル測定に重要な意味を持ちます。
空気動力学径評価方法 ~カスケードインパクター~
幾何学径が同一でも、密度の大きな粒子は慣性力が大きいため、大粒径側で計測される
DEKATI社製 電子式低圧インパクター ELPI+シリーズ
・最短0.1秒のリアルタイム測定による個数・体積・重量評価
・粒径範囲:0.006~10 μm
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :10 L/min
・分解能 :14チャンネル
・捕集部 :Φ25 mm(アルミ、ポリカーボネイト等)
・主本体材質:SUS
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
HT-ELPI+(高温対応タイプ)
最高180 ℃まで、高温サンプルエアロゾルの計測に対応
左側:ELPI+本体、右側:ヒーターユニット
HR-ELPI+(高分解能タイプ)
最大500チャンネルの高分解能で粒径分布測定が可能
HR-ELPI+のDEHS(オイル粒子)の測定データ例
TSI社製 エアロゾルスぺクトロメーター APS Model:3321
・粒径別の個数濃度(粒径分布)のリアルタイム測定が可能
・粒径範囲:0.5~20 μm
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :5 L/min (検出部:1 L/min、シース流量:4 L/min)
・分解能 :トータル52チャンネル
・濃度範囲:0.001~1,000 個/cc
・サンプルの捕集は不可
検出部の計測原理図
原理:エアロゾルスぺクトロメーター APS Model:3321は、Time-Of-Flight(TOF)という計測原理を用いた装置で、粒子が2点のレーザー間を通過する時間を計ることで粒径を算出し、粒径分布をリアルタイムに計測。
・粒径範囲:20 µm
・希釈倍率 :20:1、100:1
・粒子透過率:>93 %
・流量 :5 L/min
希釈器は連結可能で、
1台の連結で最大100,000 個/cc
2台の連結で最大10,000,000 個/cc
可測個数濃度を増やすことが可能
空気動力学径評価装置 ラインナップ
・分級捕集前後のフィルターの秤量により評価
・分級特性:0.43 μm~11 μmを8段階分級
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :28.3 L/min(= 1CFM)
・捕集部 :Φ80 mm(石英、ガラス繊維、アルミ等)
・主本体材質:アルミニウム
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
・分級捕集前後のフィルターの秤量により評価
・分級特性:0.06 μm~12 μmを12段階分級
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :24 L/min ±10 %
・捕集部 :Φ80 mm(ろ紙、ガラス繊維、ステンレス等)
・主本体材質:アルミニウム
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
・分級捕集前後のフィルターの秤量により評価
・分級特性:0.03 μm~8.6 μmを10段階分級
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :9 L/min ±10 %
・捕集部 :Φ25 mm(石英、テフロン、ステンレス等)
・主本体材質:アルミニウム
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
DEKATI社製 低圧インパクター DLPI+シリーズ
・分級捕集前後のフィルターの秤量により評価
・分級特性:0.016 μm~10 μmを14段階分級
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :10 L/min
・捕集部 :Φ25 mm(アルミ、ポリカーボネイト等)
・主本体材質:SUS
・高温対応モデル(HT-DLPI+)は最高180 ℃のサンプルに対応
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
MSP社製
Model:120R,122R,125R MOUDI Ⅱ™ Impactors
・分級捕集前後のフィルターの秤量により評価
・分級特性:0.056 μm~18 μmを10段階分級(120R)
0.01 μm~18 μmを13段階分級(122R,125R)
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :30 L/min(120R,122R)、 10 L/min(125R)
・捕集部 :Φ47 mm(1~10段)、Φ90 mm(11~13段)
(石英、ガラス繊維、アルミ等)
・主本体材質:アルミニウム
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
MSP社製 Model:140 QCM-MOUDI™ Impactor
・エアロゾルの質量及び粒径分布のリアルタイム計測が可能
・分級特性:45,74,156,305,510,960,2440 nm
(2.5 μmカットのプリセパレーターと6段のQCM検出ステージ)
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :10 L/min
・捕集部 :QCM(左図参照)
/ファイナルΦ47 mm(ガラス繊維等)
・主本体材質:アルミニウム
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
MSP社製 Model:135 Mini-MOUDI™ Impactors
・分級捕集前後のフィルターの秤量により評価
・分級特性:0.56 μm~10 μmを6段階分級(135-6)/ 0.18 μm~10 μmを
8段階分級(135-8)/ 0.056 μm~10 μmを10段階分級(135-10)
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :2 L/min
・捕集部 :Φ37 mm特殊形状(アルミ、ガラス繊維等)
・主本体材質:SUS
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
CMI社製
SEM・EDXマイクロアナライザー用 パーティクル サンプラー
MPS-3
・分級捕集前後のフィルターの秤量により評価
・分級特性:0.05 µm~0.3 µm、0.3 µm~2.0 µm、2.0 µm以上の
3段階分級
・粒径評価:空気動力学径
・流量 :2 L/min(MPS-3型)、0.25 L/min(MPS-3L型)
・捕集部 :Φ12.3 mm(カーボン等)
・主本体材質:アルミニウム
・分級捕集後のサンプルは化学分析に利用可能
*4段(7 L/min、0.05~2 µm)/ 6段(2 L/min、0.1~5 µm)仕様もあり
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